日本 1200年 文化 技術 伝統
平安建都から 1200年以上の歴史を持つ 日本の文化が色濃く残る古都
京都の中心 御苑内にある 迎賓館
—— 日本建築
—— 現代建築
—— 庭屋一如
文化 技術 伝統 1200年の 集積 融合である
京都迎賓館
- 京都御苑内に 京都御所 京都仙洞御所 拾翠亭 閑院宮邸跡などがある 国民公園に建つ
- 平安建都1200年の節目を記念し 国伝統の文化で賓客を迎えることを目的とした 国の 和 迎賓施設
- 日本の伝統建築 空間づくり 技法を 現代技術で建築
- 建築と一体となる 庭空間 -庭園 雑木庭 水景庭 石庭 枯山水 坪庭 玄関庭-
- 京都に息づく 伝統工芸 工法の技
794年の新都 平安京 1392年の南北朝合一で皇居になってから 明治天皇 東京遷宮までの500年間 天皇の住まい 200もの宮家 公家の邸宅が立ち並んでいた 御苑内に建つ
外周を石積み土塁で囲まれた 700m x 1300m 93haの御苑内100m x 200m区画の敷地を 築地塀で外周を囲い 地上一階 地下一階の建築で 中庭水景を囲う配置
海外からの宴客をお迎えし 日本の文化 伝統の理解と交友を深める施設である
ガイドツアー
朝9時からの ガイドツアーに申し込み 清和院休憩所にて
ペットボトルなどの水気のあるものを ロッカーに預け
ガイドさんの案内音声を聞くための イヤホンを装着
暫し案内映像を見てから テクテクと御苑内 築地塀に沿って 団体で歩き
迎賓館 勝手口より入ると 地下へ続くスロープを下り
X線荷物検査と金属探知機による身体検査を受けて 手荷物もロッカーへ
↑こんな感じで ガイドさんに先導される
水景 廊橋
藤の間
諸条件から大空間 現代的 和 数寄屋 建築となっているが
構造 木柱が ほとんど見えない建築となっている
和の建築ではあるが 土足 立式の諸条件のため
—— 日本建築固有の 座式の寸法体系ではない
藤の間 長押 22m飛ばし 360㎡
伝統工法では 数寄屋大工 左官 庭園 漆 畳 障子 建具 表具 錺金物(かざりかなもの) 石造工芸 和舟(わせん) 竹垣の職方 また「しつらえ」では、截金(きりかね) 蒔絵(まきえ) 螺鈿(らでん) 有職織(ゆうそくおり) 西陣織 縠(こく)や羅(ら) 木工芸 京繍(きょうぬい) 竹工芸・鎚起(ついき) 屏風 七宝 磁器 京指物 人形 木工芸 軸装 型絵染などの 工芸家や職方による「手の技」の力
次の間
S造 RC造 SRC造 木造の混構造を使い分け
土庇部分には 木柱 木庇 丸太桁
サッシと一体化した 40mm厚肉鋼管削出し125角柱
ハーフPCaのスラブを用いている
いくつもある庭園は 大開口Fixサッシによって セキュリティ 視覚優先
外気が通るのは 廊橋のみ
桐の間
天井材 全長48メートルの杉 樹齢約280年 を吉野から切り出して加工
屋根葺き材 ニッケルクラッドステンレス版 (圧着複合材) 瓦屋根に比べ 倍の耐久性
水平方向へ展開する平面構成 雁行配置 庭屋一如 枯山水 寝殿造り 書院造り 数寄屋造り
表と裏 晴と褻 粋 侘び寂び 雅 もののあはれ はじめ
—— 日本建築特有の 要素が盛り込まれている
見渡す限り ハレの空間ばかりである
夕映の間
庭屋一如
建築と一体となる 庭空間
-庭園 雑木庭 水景庭 石庭 枯山水 坪庭 玄関庭-
庭 六要素 平庭 築山 嶋 白砂 遣水 池滝
回遊式は うつろう……
枯山水は ながめの……
……空間創造
築地塀 建築のアウトラインで プロテクトし
中央の 水景庭を……
……回遊する 回廊
……貫通する 廊橋
各々諸室への回廊は 屋内回遊する
うつろいの……
構造と一体化した 建築開口部は シャープに切りとられ
ながめの……
諸室から 望む 回廊越し 庇越しの
おくのある……
水平 雁行 くずしの平面展開は
ゆたかな……
水の水平性 樹形の有機性は 建築を
ひきたてる……
建築に寄り添う 葉々 木漏れ日は
いろどり ゆらめきの……
砂紋の 枯流枯山水は
みたての……
低く抑えた2階建てから 御苑内 借景が
垣間 みえる……
……庭空間
大ぶり 和の建築だが 見えない 構造 建築ディテール
豊かな余白
建築 開口部が うみだす
線と面の濃淡が
奥を与える
くもり空とは なんと中途半端なんだろうか
建築 空間を通すと ひとしお 瞑想的になる
晴なら はっきりとした陰影が うまれ
建築のアウト 特にスカイ ラインが スパッと見える
ことさら 雨であれば なにもかもが憂鬱
晴と雨の あいだの 曇
天空光の ほの明るさを すいとって
障子 欄間から 柔らかい ひかりが 滲み
建築 空間 材料 色艶が 見通せ
水景反射も少ないぶん 水面 底が 見渡せ
コントラストが少ない 深みのないニュートラルな ひかりの状態は
—— 映えが きかなく 誤魔化しが きかない
…
春の新緑
秋の紅葉
冬の落葉 積雪
砂紋に……
葉々から……
水面に……
……落ちる 雨雫 雪
……風で なびく
建築は動かない
ほんとうは そう旨くない くもり空でも
—— cleanな深みが添わる
—— 建築 空間に しなやかさ があれば
建築概要
所在地 京都府京都市上京区京都御苑23
敷地面積 約2万140平方メートル
構造 RC造(一部S造・SRC造) 地上1階 地下1階
延床面積 約1万6000平方メートル
発注 国土交通省近畿地方整備局営繕部
設計 日建設計
施工 大林組 竹中工務店 鹿島建設
数寄屋大工 中村外二工務店
安井杢工務店
京都迎賓館
〒602-0881
京都府京都市上京区京都御苑23
WEB | https://www.geihinkan.go.jp/kyoto/
京都御苑
794年 平安建都時には 2kmほど西 内裏に皇居があったり
里内裏に皇居が移設された時には 1/100程度の敷地面積だったり
江戸の 武家 宮家 公家の時代に 現在の大きさに拡張され 200もの 邸宅が立ち並んでいた と言われる
御苑内は 京都御所 京都仙洞御所 拾翠亭 閑院宮邸跡などがある
築地塀で それぞれ区画され 砂利が敷かれる
国民公園 公道扱い 自転車 通勤の一本の轍が通る
京町 社寺とは 違った作られ方のスケール
御苑名物 轍
京都御苑の三つの休憩施設 衞邸跡休憩所・清和院休憩所|香山建築研究所
京都御苑内 3カ所に在来軸組工法の休憩施設
3棟は京都御苑の展示スペース 京菓子喫茶 迎賓館参観受付施設の 機能を持つ
空間構成 屋根勾配 柱間 素材 3棟共通
清和院休憩所
〒602-0881
京都府京都市上京区京都御苑23
WEB | https://www.geihinkan.go.jp/kyoto/visit/rest_house/
2005年 竣工の迎賓館
日本の伝統技術 工芸が多く取り入れられている
築地塀を外周で囲い 水平方向へ展開されていく平面構成
非対称 雁行配置 回廊 広い板の間 帷 御簾 軟障 几帳 幔 屏風 几帳行灯 水景池 廊橋 寝殿造り
空間の序列を 宴客 生活 晴と褻 地上地階 表と裏
角柱 畳 格子天井 障子 襖 綴織り 書院造り
水景を囲う コートハウス
丸柱 丸太桁 土庇 数寄屋造り
S造 RC造 SRC造 木造の混構造を使い分け
厚肉鋼管削出柱 建築 構造と一体化した開口部
ハーフPCaのスラブを用いた 現代建築
建築によって 切りとられた開口部の 先には
庭園 雑木庭 水景庭 石庭 坪庭 枯山水
建築 内と外が とけあう 庭屋一如
—— 日本建築
—— 現代建築
—— 庭屋一如
日本……
京都……
古都……
—— 文化 技術 伝統の 集積 融合である
平安建都 1200年
日本の文化が色濃く残る 古都 京都
碁盤目 古都の名残 継承 都市化された街並みの中に
何度も つくり直された 社寺 町家が幾つも残る
—— その時代 時代での 文化を具現化し 土地固有の建築が洗練 磨かれ
一つ ひとつの様式にまで昇華した
御苑内に建つ 迎賓館
室礼 材料 工法に 目が留まるが
—— 日本 建築 文化の継承 文脈 形式の再解釈 守破離 くずし
……古典の韻を踏み
築地塀 土塁から 水景庭までの 階層多重入れ子反転構造
—— 諸条件 時代に応じた 空間構成 作法 寸法体系 納まり 文脈の再構築である